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Posted by あしたさぬき.JP at

2011年05月26日

謎の集団

「これで、いいっすか?」


彼は、小走りにやって来て


ポケットから 小銭を取り出し


煙草と一緒に おっちゃんに渡した。


「おうっサンキュー!これで、ジュースでも飲みぃや」


男はいつもの如く、チップを貰い 礼を言った。


実を言うと このおっちゃんは ただの客ではない。


このお店には プロと呼ばれている客が、数名いて


このおっちゃんも その中の一人である。

そして それらの人は お店から


出したコインの数量を 制限されていた。

男は このお店に働いて、かれこれ半年程になるので


この謎の集団の事は もちろん良く知っていた。


だが、彼は高校の頃から


パチンコやアレンジボールを 打っていた訳で


学校を卒業してからは


日に、サラリーマンの日当ぐらいは 稼いでいた。


しかし、このスロットマシンというものは


数回打った事はあったが、


パチンコと違い、機械の作りやゲーム性を考えると


勝てる要素が、まったく無いように思えた。


確かに 彼は このお店の常連である 友人数名から


このお店の スロットコーナーには


何かしらの方法で、絵柄を並べて


毎日のように 稼いでる連中が、いるらしいという噂は つねづね聞いていた。


実際、彼等 従業員は スロットコーナーの店長から


この集団の 出したコインの数量を


制限する様にと 言われていたのだ。


また、彼は スロットコーナーのスタッフという事もあり


この集団の 各々が、あまりお金を 使わずに


コインを コンスタントに出している光景を


毎日の様に 目にしていた。


しかし、彼も 高校の頃から パチンコやアレンジボールを 打っていた訳で


当時のパチンコは 現在のそれとは違い、

簡単かつシンプルな チューリップ入賞口を


組合せた台が、ほとんどで、


ある程度、釘を読む事が出来たら


出る台を 簡単に 見つけられたのだが


当時、世に 出始めたばかりの このスロットマシンというものは  続きを読む


2011年05月19日

序章

「にいちゃん!煙草買って来てくれへんか?」

小綺麗でダボダボのねずみ色した


作業服を着た常連のおっちゃんが

吸いきったセブンスターの空箱を

ぎゅっと捻りながら言った。

「はいっセブンスターですね?」

今でも 従業員が、ここまでのサービスを
する事などないと思うが

もちろん その当時も同じである。

この男の場合、出来る限り

トラブルを回避したいという思いもあったが

一種の悪賢い性格からくるものかも知れない。


客に嫌われて、嫌な思いをして働くより
出来る事なら好かれて 気分良く働いた方が

よっぽど得だと 思っていたのである。


昭和55年 沖縄ーー


だから 機械のトラブルで呼ばれた場合

トラブル解消後は、中のコインを数十枚取って

マシンの下皿へ 入れてやっていた。


普通 全国何処の遊技場でも


機械のトラブルの場合

トラブル解消後、コイン3枚分程度のサービスと


ほとんどの店舗で、決められているものだ。


公認ギャンブルという仕事柄


客とのトラブルが絶えず


ほとんどの従業員が、嫌われている中で

彼だけは 違った。















  


Posted by バーバー at 21:43Comments(0)昭和 ギャンブル